2013年 06月 19日
夏野剛氏の講演会 |
6/7(金) に夏野剛氏に,当大学の「リーダーシップ特論」という講座にて、1.5時間の講演を行っていただいた。
夏野氏は,NTTドコモでのiモードの開発,ドワンゴでのニコニコ動画の発展にご活躍され,企業の取締役や社外取締役をいくつも兼任されており,実業界では大いにご活躍されている。一方では,慶応大学の特別招聘教授を勤められており,IT評論家としてもご活躍されている有名人である。
超ご多忙の中,名古屋まで来ていただいて恐縮の限りであったが,お話はとても上手で面白く,学生達にも大いに刺激になったと思われる。
ご講演内容をまとめてみると,
1.この15年で3つのIT革命が起こった。
•第一の革命「効率革命」
–ビジネスのフロントラインがネットへ展開
–リアル市場+ネット市場
–顧客接点の大変貌
•第二の革命「検索革命」
–個人の情報収集能力の飛躍的拡大
–研究開発プロセス革命
–にわか専門家量産システム
•第三の革命「ソーシャル革命」
–個人の情報発信能力の飛躍的拡大
–TwitterやFBによる「共振」
2.それによって社会システムは下記の変貌を余儀なくされた。
•組織体制の変化
–フラット化せざるを得ない組織構造
–機能しない終身雇用、年功序列、新卒一括採用
–個人力を最大化する組織の必要性
•意味の無くなる平均値議論
–平均が高いことよりも、突き抜けた人材の活用
–多様性を前提とした教育システム
–ゆとり教育は悪か?
•リーダーの役割変化
–利害調整型から率先垂範型へ
–リーダーの役割はより重く、辛いものへ
3.IT時代に求められるリーダーの役割
・方向性を示す。
・ディテールを知る。
・哲学(フィロソフィー),信念をもつ。
・昨日と同じことを疑う。
4.学生へのメッセージ
(これは誠に残念ながら時間切れでお聞きすることができなかった。)
もう少し過激な論調でお話になるかと予想していたら,案外と穏やかに,ITの時代に企業のあるべき姿とリーダーシップについて熱く語っておられた。
ところで,当大学は,自動車産業を中心とする中京工業地帯の中心に位置している。学生の就職先は製造業が多い。その意味では,ITがすべてを変えるという夏野氏の主張を、必ずしも学生達全員がそのまま素直に受け入れたかどうかはよく分からない。
夏野氏は日頃から,「ITの分からない60歳±5歳の人々が集まって会社経営をしているから日本はダメになるのだ。」と主張されている。歴史的にも、明治維新や戦後の発展の様子を見ても,たぶん年寄りが居座っている限りは、大きな変革は望めないという出張は間違ってはいないと思う。
ただ、個々に見ると,60歳を過ぎて,ホームページを作り,ブログとFacebook に熱中する人もいるし,ITといってもスマホのゲームで暇つぶしをしているだけという若者もいる。
ITへの姿勢というものは,必ずしも年齢だけでは割り切れないという事実も一方にはある(少数派かもしれないが)。多くが製造業へ就職する当大学の学生たちが、夏野氏のIT革命論にどういう感想をレポートで提出してくるのか,その反応がちょっと楽しみなところでもある。
<追記>
ちょうど、次の週に、夏野氏が社外取締役を勤めているトレンダーズ社の経沢香保子社長との対談が、ニコニコ動画で放映されていた。お二人の対談を聞いていると、21世紀の企業のあるべき姿が見えてくるような気がする。これからの、キーワードは柔らかいリーダーシップと女性なのではないのかなと感じさせるものがあった。経沢社長にも、ぜひ一度、ご講演をいただきたく思った。
夏野氏は,NTTドコモでのiモードの開発,ドワンゴでのニコニコ動画の発展にご活躍され,企業の取締役や社外取締役をいくつも兼任されており,実業界では大いにご活躍されている。一方では,慶応大学の特別招聘教授を勤められており,IT評論家としてもご活躍されている有名人である。
超ご多忙の中,名古屋まで来ていただいて恐縮の限りであったが,お話はとても上手で面白く,学生達にも大いに刺激になったと思われる。
ご講演内容をまとめてみると,
1.この15年で3つのIT革命が起こった。
•第一の革命「効率革命」
–ビジネスのフロントラインがネットへ展開
–リアル市場+ネット市場
–顧客接点の大変貌
•第二の革命「検索革命」
–個人の情報収集能力の飛躍的拡大
–研究開発プロセス革命
–にわか専門家量産システム
•第三の革命「ソーシャル革命」
–個人の情報発信能力の飛躍的拡大
–TwitterやFBによる「共振」
2.それによって社会システムは下記の変貌を余儀なくされた。
•組織体制の変化
–フラット化せざるを得ない組織構造
–機能しない終身雇用、年功序列、新卒一括採用
–個人力を最大化する組織の必要性
•意味の無くなる平均値議論
–平均が高いことよりも、突き抜けた人材の活用
–多様性を前提とした教育システム
–ゆとり教育は悪か?
•リーダーの役割変化
–利害調整型から率先垂範型へ
–リーダーの役割はより重く、辛いものへ
3.IT時代に求められるリーダーの役割
・方向性を示す。
・ディテールを知る。
・哲学(フィロソフィー),信念をもつ。
・昨日と同じことを疑う。
4.学生へのメッセージ
(これは誠に残念ながら時間切れでお聞きすることができなかった。)
もう少し過激な論調でお話になるかと予想していたら,案外と穏やかに,ITの時代に企業のあるべき姿とリーダーシップについて熱く語っておられた。
ところで,当大学は,自動車産業を中心とする中京工業地帯の中心に位置している。学生の就職先は製造業が多い。その意味では,ITがすべてを変えるという夏野氏の主張を、必ずしも学生達全員がそのまま素直に受け入れたかどうかはよく分からない。
夏野氏は日頃から,「ITの分からない60歳±5歳の人々が集まって会社経営をしているから日本はダメになるのだ。」と主張されている。歴史的にも、明治維新や戦後の発展の様子を見ても,たぶん年寄りが居座っている限りは、大きな変革は望めないという出張は間違ってはいないと思う。
ただ、個々に見ると,60歳を過ぎて,ホームページを作り,ブログとFacebook に熱中する人もいるし,ITといってもスマホのゲームで暇つぶしをしているだけという若者もいる。
ITへの姿勢というものは,必ずしも年齢だけでは割り切れないという事実も一方にはある(少数派かもしれないが)。多くが製造業へ就職する当大学の学生たちが、夏野氏のIT革命論にどういう感想をレポートで提出してくるのか,その反応がちょっと楽しみなところでもある。
<追記>
ちょうど、次の週に、夏野氏が社外取締役を勤めているトレンダーズ社の経沢香保子社長との対談が、ニコニコ動画で放映されていた。お二人の対談を聞いていると、21世紀の企業のあるべき姿が見えてくるような気がする。これからの、キーワードは柔らかいリーダーシップと女性なのではないのかなと感じさせるものがあった。経沢社長にも、ぜひ一度、ご講演をいただきたく思った。
by sakuraimac
| 2013-06-19 18:38
| 講演会
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