2014年 03月 04日
就職人気ランキング2014 |
2/26の日経新聞に、2015年入社予定の学生の就職人気ランキングが載っていたので、いつものごとく、理系大学院の人気順位を転記してみた。
1位 サントリーグループ___ 11位 ソニー_____ 21位 野村総合研究所
2位 トヨタ自動車______ 12位 NTTデータ___ 22位 カゴメ
3位 日立製作所______ 13位 東レ______23位 キリン
4位 JR東日本_______ 14位 味の素_____24位 旭硝子
5位 三菱重工_______ 15位 住友化学____25位 日本生命保険
6位 旭化成グループ____ 16位 明治グループ
7位 JR東海________ 17位 資生堂
8位 三菱電機_______ 17位 富士フィルム
9位 花王_________ 17位 ホンダ
10位 東芝_________20位 JR西日本
このデータは、少ない情報の中での学生の人気投票にすぎないのだが、企業イメージが、一般にどうとらえられているのかを見るのには、興味深いものがある。(実際に就職する人数とか入社学生の高学歴さとは、全く異なるものなので、就活中の学生の皆さんはあまり気にかけないでください。)
まず、2年前と比べると、トヨタの全国区での人気急上昇が目立つ。絶好調の業績が好まれたためであろう。
JRは相変わらず強い。3社が入っている。東京地区が調査の中心なので、東日本が上だが、地域性を無視すれば東海が上にくるはずである。
常連だった電機系は、大きく減った。日立、三菱、東芝、ソニーは健闘しているが、その順序が株価の上昇と見事に連動しているのが面白い。常に上位にいた家電系企業はソニー以外はない。(ソニーもこの地位を頑張って保っているのは不思議なところもある。)
学生数も採用数も多いはずなのに、機械系、IT企業、建築系、が上位に来ないことが、いつも不思議に思う。実際の就職数は非常に多いはずだと思うのであるが。アンケートを取る条件にも色々課題があるのかもしれない。(調査機関によってもずいぶんと順位は異なっている。)
化学・バイオ・食品系が多数上位に来ているのが興味深い。サントリー、旭化成、花王、東レ、味の素、住友化学、資生堂、明治、カゴメ、キリンと化学系統の会社が並ぶ。これらの企業に、そんなに多数の学生を採用出来るキャパシティがあるとは思えないのだが、この人気度合いは奇妙にすら感じられる。
ちなみに人気1位のサントリーグループについてちょっと調べてみた。従業員数34,129人、売上2兆402億円、経常利益1,206億円、売上利益ともに年々増加を続けている。自己資本率も32.3%で、中々の優良企業である。同族経営で株式上場はしていない。
ただし、研究開発の面で見ると、あくまで食品(飲料とお酒)メーカであり、そんなに最先端技術を積極的に追求しているようにも見えない。超有料企業であることは間違いないようであるが、採用人員が多い訳でもないので、何故理工系大学院生が皆サントリーに行きたがるのかよく分からないところもある。おそらく、会社にゆとりがあり、社内の雰囲気が非常によいというのが、一番の理由なのではないかと推測される。
ちなみに社長の言葉を見ると、「若い人が自由闊達に働ける風土」「官僚的な形式にとらわれず、個性的な出る杭を伸ばす社風」「面白い人間がイキイキ働く集団」「自由な発想で溢れかえるような会社」とある。もし、他の大企業も、この言葉を本当に実践できれば、現在の学生にとっては大いに人気が上がるのかもしれない。
(余談)
スティーブ・ジョブスがペプシコーラからジョン・スカリーを引き抜くときに「砂糖水を売って一生を終えるのか。もっと世界を変えるようなことをやってみないか。」と言って誘ったという逸話を思い出す。サントリーが砂糖水を売っている会社とは言わないが、科学技術を深く学んだ理工系大学院生が一番に希望するというのには、何か、少し志が低いのではないかという気がしないでもない。余計なお世話かもしれないが。
1位 サントリーグループ___ 11位 ソニー_____ 21位 野村総合研究所
2位 トヨタ自動車______ 12位 NTTデータ___ 22位 カゴメ
3位 日立製作所______ 13位 東レ______23位 キリン
4位 JR東日本_______ 14位 味の素_____24位 旭硝子
5位 三菱重工_______ 15位 住友化学____25位 日本生命保険
6位 旭化成グループ____ 16位 明治グループ
7位 JR東海________ 17位 資生堂
8位 三菱電機_______ 17位 富士フィルム
9位 花王_________ 17位 ホンダ
10位 東芝_________20位 JR西日本
このデータは、少ない情報の中での学生の人気投票にすぎないのだが、企業イメージが、一般にどうとらえられているのかを見るのには、興味深いものがある。(実際に就職する人数とか入社学生の高学歴さとは、全く異なるものなので、就活中の学生の皆さんはあまり気にかけないでください。)
まず、2年前と比べると、トヨタの全国区での人気急上昇が目立つ。絶好調の業績が好まれたためであろう。
JRは相変わらず強い。3社が入っている。東京地区が調査の中心なので、東日本が上だが、地域性を無視すれば東海が上にくるはずである。
常連だった電機系は、大きく減った。日立、三菱、東芝、ソニーは健闘しているが、その順序が株価の上昇と見事に連動しているのが面白い。常に上位にいた家電系企業はソニー以外はない。(ソニーもこの地位を頑張って保っているのは不思議なところもある。)
学生数も採用数も多いはずなのに、機械系、IT企業、建築系、が上位に来ないことが、いつも不思議に思う。実際の就職数は非常に多いはずだと思うのであるが。アンケートを取る条件にも色々課題があるのかもしれない。(調査機関によってもずいぶんと順位は異なっている。)
化学・バイオ・食品系が多数上位に来ているのが興味深い。サントリー、旭化成、花王、東レ、味の素、住友化学、資生堂、明治、カゴメ、キリンと化学系統の会社が並ぶ。これらの企業に、そんなに多数の学生を採用出来るキャパシティがあるとは思えないのだが、この人気度合いは奇妙にすら感じられる。
ちなみに人気1位のサントリーグループについてちょっと調べてみた。従業員数34,129人、売上2兆402億円、経常利益1,206億円、売上利益ともに年々増加を続けている。自己資本率も32.3%で、中々の優良企業である。同族経営で株式上場はしていない。
ただし、研究開発の面で見ると、あくまで食品(飲料とお酒)メーカであり、そんなに最先端技術を積極的に追求しているようにも見えない。超有料企業であることは間違いないようであるが、採用人員が多い訳でもないので、何故理工系大学院生が皆サントリーに行きたがるのかよく分からないところもある。おそらく、会社にゆとりがあり、社内の雰囲気が非常によいというのが、一番の理由なのではないかと推測される。
ちなみに社長の言葉を見ると、「若い人が自由闊達に働ける風土」「官僚的な形式にとらわれず、個性的な出る杭を伸ばす社風」「面白い人間がイキイキ働く集団」「自由な発想で溢れかえるような会社」とある。もし、他の大企業も、この言葉を本当に実践できれば、現在の学生にとっては大いに人気が上がるのかもしれない。
(余談)
スティーブ・ジョブスがペプシコーラからジョン・スカリーを引き抜くときに「砂糖水を売って一生を終えるのか。もっと世界を変えるようなことをやってみないか。」と言って誘ったという逸話を思い出す。サントリーが砂糖水を売っている会社とは言わないが、科学技術を深く学んだ理工系大学院生が一番に希望するというのには、何か、少し志が低いのではないかという気がしないでもない。余計なお世話かもしれないが。
by sakuraimac
| 2014-03-04 22:51
| 教育・大学
|
Comments(3)
Commented
by
社会人
at 2014-03-20 22:42
x
通りすがりで失礼します。
サントリーが大学院生一位というのは、私も少し驚きましたが、この会社はただの飲料会社と侮るなかれ、研究開発の歴史はなかなか深いですよ!植物のバイオテクノロジー、微生物、医薬品から派生した特定保健用食品、健康食品、化粧品などなど、研究開発分野の裾野が広く、多くの学部から集めていることが人気の要因かと思います。来年には最先端の大きな基礎研究の研究所もできますし、理系院生に人気がある理由はなんとなく分かります。東大、京大の理工薬農学系の院生も多数入社してますしね‥医薬品を除く他業界大手と比較して何より平均給料が高いのもポイントの一つ、かもしれませんが。
食品、日用品業界では、あとは味の素、花王の研究開発レベルはそれ以上のものですし、会社の安定感とあいまって人気がでてるのでは?と思います。
横から大変失礼いたしました!
サントリーが大学院生一位というのは、私も少し驚きましたが、この会社はただの飲料会社と侮るなかれ、研究開発の歴史はなかなか深いですよ!植物のバイオテクノロジー、微生物、医薬品から派生した特定保健用食品、健康食品、化粧品などなど、研究開発分野の裾野が広く、多くの学部から集めていることが人気の要因かと思います。来年には最先端の大きな基礎研究の研究所もできますし、理系院生に人気がある理由はなんとなく分かります。東大、京大の理工薬農学系の院生も多数入社してますしね‥医薬品を除く他業界大手と比較して何より平均給料が高いのもポイントの一つ、かもしれませんが。
食品、日用品業界では、あとは味の素、花王の研究開発レベルはそれ以上のものですし、会社の安定感とあいまって人気がでてるのでは?と思います。
横から大変失礼いたしました!
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基礎研究の研究所のニュースはこちらにありました!
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by
sakuraimac at 2014-03-20 23:39
社会人さん、コメントありがとうございます。なるほど、けっこう研究開発分野でも深くやっているのですね。あまり、そういうイメージを出していなかったので、不思議に思っていました。ありがとうございます。