2016年 01月 21日
XJapan |
昨年末の紅白歌合戦に、20数年ぶりにX Japanが出演した。私は音楽はクラシック好みなので、ハードロックのX Japanのファンなのは自分でも不思議な思いがしている。
初めてXJapan に関心を持ったのは、1990年ころにNHKのテレビで、メンバーの中心であるYoshiki がピアノでショパンを弾いていたのを見たときである。彼のルックスと澄んだピアノの音に魅せられて、早速CDを買ってきて聴いてみたら、ピアノよりもYoshikiの超高速ドラムにすっかり引き込まれてしまった。
Yoshiki の代表作は「紅」であるが、バラード調の序章の後に、一転してハードロックになる。ボーカルのメロディは単純であるが、間奏の部分での高速のドラムとギターの音楽構成は素晴らしい。(歌唱よりバックの器楽曲に引き込まれてしまう音楽というと、バッハのマタイ受難曲を連想してしまう。)
「紅」に匹敵するのは「Silent jealousy 」である。前奏が静かで澄んだピアノ曲であるが、一転して始まる本体のロックの部分では、高速ドラムとギターの競演となる。この曲も歌の部分よりバックの楽曲が素晴らしい。
Yoshiki は素晴らしい音楽的才能を持った天才だと思うのだが、彼の音楽の出発点がクラシックピアノであったというのが興味深い。Yoshikiのファン層は、たぶん従来のロックファンとは少し違うのではないのだろうかとも感ずる。例えば、ヘビメタに分類される音楽なのにNHKに気に入られたり、小泉元首相がファンになったりしているのだから、明らかに従来のロックとは違う。
XJapan はNHK紅白歌合戦に全部で6回出場している。ロックというのは反体制的なスタイルを取ることが原点であったのに、NHKや総理大臣に気に入られるとは、非常に面白い。Yoshiki の持つ天性の音楽性というものには、スタイルを超越したものがあるように思える。
優れてかつ根強い人気を持つミュージッシャンには、入り口はロック、後半はバラードとなる人が少なくないような気がする。例えば、エルビスプレースリーや桑田佳祐などがその典型だろう。Yoshiki もぜひ天賦の才能を生かして長く活躍してほしいと願っている。
<追記1>即位十年を祝う国民祭典での演奏
1999年に、天皇陛下御即位十年を祝う国民祭典においてYoshiki が奉祝曲を作曲・ピアノ演奏をした。当時の映像を見ると、天皇と美智子皇后がにこやかに興味深げに聞き入っている。翌年2000年には皇居の春の園遊会には母親とともに招待されている。
<追記2>X Japan の名前
もともとグループ名はXだった。それが海外進出する際にすでにXというバンドが国外にあることが分かり、1992年にX Japan に改名したとのことである。私は1990年頃、出張先のロスアンゼルスのCDショップでA~Zまでの棚でXの名前を発見した記憶がある。(ずっとXでいてほしかったが商標権の問題ならばやむをえない。)
<追記3>楽曲のスピード
音楽の速さを表す指標としてBPM(Beat Per Minutes)というものがある。ふつうの音楽では、100以下であるが、ハードロックで100数十、200を超えるとスラッシュメタルとかデスメタルと呼ばれるジャンルになるらしい。ちなみにXJapanの代表曲でのBPMは以下のようになる。
Stab Me in the Back BPM=200
Blue Blood BPM= 188
Silent Jealousy BPM=183
紅 BPM=160
(BPM200だとドラムを1分間に800回近く叩いているそうである。これではYoshiki が椎間板ヘルニアになったり酸素不足で倒れてしまうのも分かる。)
<追記4>自分の好みの曲
XJapan の曲で最も広く知られているのは、小泉総理が自民党のCMソングに採用した「Forever Love」だろう。Tearsも人気がある。私の好みは、これらのバラード曲ではなく、初期のハードロック曲である。挙げるとしたら、次の3曲であり、最もYoshiki の音楽的才能が現れていると私は思う。
1.紅
https://www.youtube.com/watch?v=C7u31JT9gjc&ab_channel=zyoshikiz
初めてXJapan に関心を持ったのは、1990年ころにNHKのテレビで、メンバーの中心であるYoshiki がピアノでショパンを弾いていたのを見たときである。彼のルックスと澄んだピアノの音に魅せられて、早速CDを買ってきて聴いてみたら、ピアノよりもYoshikiの超高速ドラムにすっかり引き込まれてしまった。
Yoshiki の代表作は「紅」であるが、バラード調の序章の後に、一転してハードロックになる。ボーカルのメロディは単純であるが、間奏の部分での高速のドラムとギターの音楽構成は素晴らしい。(歌唱よりバックの器楽曲に引き込まれてしまう音楽というと、バッハのマタイ受難曲を連想してしまう。)
「紅」に匹敵するのは「Silent jealousy 」である。前奏が静かで澄んだピアノ曲であるが、一転して始まる本体のロックの部分では、高速ドラムとギターの競演となる。この曲も歌の部分よりバックの楽曲が素晴らしい。
Yoshiki は素晴らしい音楽的才能を持った天才だと思うのだが、彼の音楽の出発点がクラシックピアノであったというのが興味深い。Yoshikiのファン層は、たぶん従来のロックファンとは少し違うのではないのだろうかとも感ずる。例えば、ヘビメタに分類される音楽なのにNHKに気に入られたり、小泉元首相がファンになったりしているのだから、明らかに従来のロックとは違う。
XJapan はNHK紅白歌合戦に全部で6回出場している。ロックというのは反体制的なスタイルを取ることが原点であったのに、NHKや総理大臣に気に入られるとは、非常に面白い。Yoshiki の持つ天性の音楽性というものには、スタイルを超越したものがあるように思える。
優れてかつ根強い人気を持つミュージッシャンには、入り口はロック、後半はバラードとなる人が少なくないような気がする。例えば、エルビスプレースリーや桑田佳祐などがその典型だろう。Yoshiki もぜひ天賦の才能を生かして長く活躍してほしいと願っている。
<追記1>即位十年を祝う国民祭典での演奏
1999年に、天皇陛下御即位十年を祝う国民祭典においてYoshiki が奉祝曲を作曲・ピアノ演奏をした。当時の映像を見ると、天皇と美智子皇后がにこやかに興味深げに聞き入っている。翌年2000年には皇居の春の園遊会には母親とともに招待されている。
<追記2>X Japan の名前
もともとグループ名はXだった。それが海外進出する際にすでにXというバンドが国外にあることが分かり、1992年にX Japan に改名したとのことである。私は1990年頃、出張先のロスアンゼルスのCDショップでA~Zまでの棚でXの名前を発見した記憶がある。(ずっとXでいてほしかったが商標権の問題ならばやむをえない。)
<追記3>楽曲のスピード
音楽の速さを表す指標としてBPM(Beat Per Minutes)というものがある。ふつうの音楽では、100以下であるが、ハードロックで100数十、200を超えるとスラッシュメタルとかデスメタルと呼ばれるジャンルになるらしい。ちなみにXJapanの代表曲でのBPMは以下のようになる。
Stab Me in the Back BPM=200
Blue Blood BPM= 188
Silent Jealousy BPM=183
紅 BPM=160
(BPM200だとドラムを1分間に800回近く叩いているそうである。これではYoshiki が椎間板ヘルニアになったり酸素不足で倒れてしまうのも分かる。)
<追記4>自分の好みの曲
XJapan の曲で最も広く知られているのは、小泉総理が自民党のCMソングに採用した「Forever Love」だろう。Tearsも人気がある。私の好みは、これらのバラード曲ではなく、初期のハードロック曲である。挙げるとしたら、次の3曲であり、最もYoshiki の音楽的才能が現れていると私は思う。
1.紅
https://www.youtube.com/watch?v=C7u31JT9gjc&ab_channel=zyoshikiz
https://www.youtube.com/watch?v=xR4qXUwsp9Q&ab_channel=tenhou96227744
2.Silent Jealousy
https://www.youtube.com/watch?v=Oj9bvmzTR2A&ab_channel=XJapanOfficial
3.Blue Blood
https://www.youtube.com/watch?v=KI7_GIH1yOY&ab_channel=MattHide
2.Silent Jealousy
https://www.youtube.com/watch?v=Oj9bvmzTR2A&ab_channel=XJapanOfficial
3.Blue Blood
https://www.youtube.com/watch?v=KI7_GIH1yOY&ab_channel=MattHide
by sakuraimac
| 2016-01-21 15:34
| 音楽
|
Comments(4)
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MetalKids
at 2016-02-09 02:50
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個人的にはインディーズの頃のAliveが好きです。この人、この曲が終生のライバルになるんじゃないか、と思ったです。
80年代後半の日本、北欧、西独のへヴィメタルは、クラッシックから時に直接フレーズを借りつつ、時に和声進行を借りつつ、様式美と言われるジャンルが凄く流行っておりました。
ちょうどX-Japanメジャーデビュー前後にあった、北欧天才ギタリストの「崩壊直前のソ連」でのライブです。https://youtu.be/wlCnVdTdygs?list=PL_mxm42Z3P0JfebbAel0ZZ58qFrxR3QyT
真によい時代でした。
80年代後半の日本、北欧、西独のへヴィメタルは、クラッシックから時に直接フレーズを借りつつ、時に和声進行を借りつつ、様式美と言われるジャンルが凄く流行っておりました。
ちょうどX-Japanメジャーデビュー前後にあった、北欧天才ギタリストの「崩壊直前のソ連」でのライブです。https://youtu.be/wlCnVdTdygs?list=PL_mxm42Z3P0JfebbAel0ZZ58qFrxR3QyT
真によい時代でした。
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sakuraimac at 2016-02-12 16:38
MetalKidsさん、コメントどうもありがとうございます。Aliveは知りませんでした。聞いてみたら、最初の部分にベートーベンの月光が引用されているのですね。驚きました。
ご紹介のYoutubeも見ました。素晴らしいですね。
ご紹介のYoutubeも見ました。素晴らしいですね。
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プリゴジン
at 2016-07-07 16:14
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sakuraimac at 2016-07-11 13:56