2016年 11月 01日
反省しない米国人 |
本棚から昔の本を見つけ出したのだが、現在でも通用しそうな話なので、紹介してみたい。題名は「反省しないアメリカ人を扱う方法」、著者は米国コンサルタント会社社長のロッシェルカップ氏。
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・米国人従業員に質問をすると頻繁に"No Ploblem"という答えが帰ってくる場合が多い。それをそのまま信じていたら実は大きな問題があったと感ずる日本人マネージャは多いようだ。
・米国人の間ではやれば出来る(Can Do Atitude)というチャレンジ精神が高く評価される。可能性が50%以下のときに出来ますというのは嘘の範疇に入るが、50%以上あれば出来ると言うのがよいとされる。日本人がトラブルを予測して準備を整えておくことを重視するのに対して、問題が発生したら対処法を考えればよいというのが米国人の考え方だ。
・米国人は一般に早い行動を好みリスクは辞さないので、情報が不十分でも決断する。早く決断を下し変化に対応するリーダは有能とされる(John Wayne Style Management)。意思決定して動き出してから微調整とブラッシュアップを行う。間違いがあっても「いい勉強」と考える。こうした実践的なやりかたは、決定は早いがその後の結果が出るまでに時間がかかる場合も多い。
・日本人はリスクを嫌い間違いをより深刻に受け止める。最初のトライでの成功の可能性を高めるため時間をかけて情報を収集し根回し(Consensus Building) を行う。決定までには時間がかかるが、実施に伴う課題が事前に解決されているので、決定事項を早く実施できることにつながる。
・最終的にはかかる時間は双方のやり方でも同じなのかもしれない。ただし、一緒に仕事を行う場合はこの違いが摩擦の原因となる。うまく解決できないとどちらか一方の方法でやるより倍の時間がかかってしまうことがよくあるようだ。
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昔、国際会議の企画委員会で、隣席の Kodak 社のTom Nutting 氏と話しをしていたとき、私が"No Problem"と言ったら、ニコッと笑って"Mondai Nai,Mondai Nai”と日本語でしゃべりだしたのでビックリしたことがある。日本の会社と共同開発の仕事をしたことがあるとのことで、その時に覚えた数少ない日本語のひとつが”Mondai”という単語のだったようだ。その後も"Mondai,Mondai"と嬉しそうに何度も言っていた。
その時はあまり気に止めてはいなかったのだが、上記のロッシェルさんの言葉を見た時、この時のことを思い出した。おそらく、日本での会議で "問題"という言葉があまりにたくさん出てきたので、それが Nutting さんには興味深く思えたのだと思う。
我々は、まず最初に考えられる問題を全部挙げてみようとする。その問題の解が見えたところでようやく安心して走り出す。問題とは走ると発生するものと考える米国人にとっては、走る前に山のように積みあがる"問題"がおそらく不思議に見えたのに違いない。
日本人は走り出す前によく考え、米国人は走りながら考えるというのは、行動文化の差としてはそれなりに正しい観察のような気もする。ただし、文化の差異が物事の成否をどう決めるかというのはそう単純な話でもない。
宇宙ロケットの打ち上げでは、米国でもあらゆる問題点を正確に洗い出して解決しておかねばならないだろうし、東京証券取引所においては日本人でも迅速なる意思決定を毎日要求されるはずだ。
インディアンをせん滅する騎兵隊長を好んで演じ、ベトコンを一掃するグリーンベレー部隊に大変な熱意を示した Jhon Wayne が今でも米国人に圧倒的な支持を受けている訳でもないし、可能性が50%しかないのにNo Problem を連発する人間がよい仕事をするのかどうか、シリコンバレーの米国人マネージャによく聞いてみれば、そんなに単純な回答は戻ってこないはずだ。
私が米国人とともに仕事をしたときは、実はこの文化の差はあまり感じなかったのだが、経験された方々の感想を聞いてみたい気がする。
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・米国人従業員に質問をすると頻繁に"No Ploblem"という答えが帰ってくる場合が多い。それをそのまま信じていたら実は大きな問題があったと感ずる日本人マネージャは多いようだ。
・米国人の間ではやれば出来る(Can Do Atitude)というチャレンジ精神が高く評価される。可能性が50%以下のときに出来ますというのは嘘の範疇に入るが、50%以上あれば出来ると言うのがよいとされる。日本人がトラブルを予測して準備を整えておくことを重視するのに対して、問題が発生したら対処法を考えればよいというのが米国人の考え方だ。
・米国人は一般に早い行動を好みリスクは辞さないので、情報が不十分でも決断する。早く決断を下し変化に対応するリーダは有能とされる(John Wayne Style Management)。意思決定して動き出してから微調整とブラッシュアップを行う。間違いがあっても「いい勉強」と考える。こうした実践的なやりかたは、決定は早いがその後の結果が出るまでに時間がかかる場合も多い。
・日本人はリスクを嫌い間違いをより深刻に受け止める。最初のトライでの成功の可能性を高めるため時間をかけて情報を収集し根回し(Consensus Building) を行う。決定までには時間がかかるが、実施に伴う課題が事前に解決されているので、決定事項を早く実施できることにつながる。
・最終的にはかかる時間は双方のやり方でも同じなのかもしれない。ただし、一緒に仕事を行う場合はこの違いが摩擦の原因となる。うまく解決できないとどちらか一方の方法でやるより倍の時間がかかってしまうことがよくあるようだ。
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昔、国際会議の企画委員会で、隣席の Kodak 社のTom Nutting 氏と話しをしていたとき、私が"No Problem"と言ったら、ニコッと笑って"Mondai Nai,Mondai Nai”と日本語でしゃべりだしたのでビックリしたことがある。日本の会社と共同開発の仕事をしたことがあるとのことで、その時に覚えた数少ない日本語のひとつが”Mondai”という単語のだったようだ。その後も"Mondai,Mondai"と嬉しそうに何度も言っていた。
その時はあまり気に止めてはいなかったのだが、上記のロッシェルさんの言葉を見た時、この時のことを思い出した。おそらく、日本での会議で "問題"という言葉があまりにたくさん出てきたので、それが Nutting さんには興味深く思えたのだと思う。
我々は、まず最初に考えられる問題を全部挙げてみようとする。その問題の解が見えたところでようやく安心して走り出す。問題とは走ると発生するものと考える米国人にとっては、走る前に山のように積みあがる"問題"がおそらく不思議に見えたのに違いない。
日本人は走り出す前によく考え、米国人は走りながら考えるというのは、行動文化の差としてはそれなりに正しい観察のような気もする。ただし、文化の差異が物事の成否をどう決めるかというのはそう単純な話でもない。
宇宙ロケットの打ち上げでは、米国でもあらゆる問題点を正確に洗い出して解決しておかねばならないだろうし、東京証券取引所においては日本人でも迅速なる意思決定を毎日要求されるはずだ。
インディアンをせん滅する騎兵隊長を好んで演じ、ベトコンを一掃するグリーンベレー部隊に大変な熱意を示した Jhon Wayne が今でも米国人に圧倒的な支持を受けている訳でもないし、可能性が50%しかないのにNo Problem を連発する人間がよい仕事をするのかどうか、シリコンバレーの米国人マネージャによく聞いてみれば、そんなに単純な回答は戻ってこないはずだ。
私が米国人とともに仕事をしたときは、実はこの文化の差はあまり感じなかったのだが、経験された方々の感想を聞いてみたい気がする。
by sakuraimac
| 2016-11-01 16:53
| 仕事
|
Comments(2)
No Problem! を思い出しました。今から二十年ほど前、ポーランドに建設事業の市場化支援で二週間ほど行きました時に、ポーランドの担当の方が、よく「No Problem.」とおっしゃるんです。結構、問題なんですが、とやかく言っても失礼なので、OKと言っていました。とにかく結局OKなので、「No Problem.」もいいなと思いました。
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sakuraimac at 2016-11-21 16:32
藤田様、コメントありがとうございます。結局はOKというのが面白いですよね。我々が心配性なんですかね。