2011年 08月 01日
古楽器とラ・プティット・バンド |
ラ・プティット・バンドによる、Bach の音楽会を愛知県芸術劇場コンサートホールに聞きに行った(6/25)。ラ・プティット・バンドはベルギーの古楽器を演奏する有名なグループである。古楽器とは、作曲者の時代の楽器をそのまま再現しようとするもので、近代、その研究がさかんに行われている。話は以前からよく聞いていたが、実際の演奏を見たのは今回が初めてであった。
まず目につくのは弦楽器。バイオリンは少し大きめで肩当てがなく、弓の格好が異なり、音色は柔らかい。目立つのは、ビオラを大きくしたような楽器で、ギターのように肩からつるして、体の前面で弓で弾くという奇妙なものである。独奏がないので、音色はよく聞き取れなかったが、見かけの割には地味な音色のようである。チェロは、形はあまり変わらないが大きさがかなり小ぶりである。
木管楽器は、フルートもオーボエもキーはなく、穴を指で押さえるものであり、音は小さく音色は柔らかい。キーが無い分だけ、あまり高度なテクニックは使えないようだ。
曲目は、ポピュラーなブラデンブルグ協奏曲2、3、5、6番と、組曲2番。一番特長が出ていたのが、ブラデンブルグ協奏曲3番で、弦楽器の柔らかさと深さと味わいのある合奏が素晴らしかった。現代の明るく歯切れのよい演奏に慣れた耳には、かなり異なった音色が印象的であり、大変心地よく聞くことができた。
ただ、組曲2番に関してだけは、私には、バロックフルートよりは、現代フルートによるテンポの早い切れのある演奏のほうが魅力的に思えた。昔、フルートでこの曲に挑戦したことがあるので、その記憶からそう思っただけなのかもしれないが・・・。
ところで、今回の演奏会に行って改めて思ったのは、どんなに当時の様子を正確に再現しようとしても、当時と現代をつないでいるのは、唯一楽譜のみだということである。その楽譜をもとにした当時の演奏と現代の演奏が、どれほど違うのかということは誰にも分からない。どんなに研究しても、その結果を検証する手段は全くないのである。そのことが、かえって人々の想像力をかきたて、様々な演奏様式を生み出す力となっているのであろうか。当時の演奏と音色を求めていく努力というのは、これからも永遠に続けられていくのだろうなと思った。
なお、ネットを検索していたら、名古屋大学古楽研究会というのを見つけた。全国でも珍しい学生団体とのことである。部員が48名もいるとのことで、ホームページも大変よく出来ており、その熱心さが伝わってくる。クラシックの愛好家は世の中でもあまり数多くはないが、その中でも特に少数派の地味な古楽器を愛好する学生グループが、案外身近なところにいることを知って、ちょっと感銘を受けた次第である。

まず目につくのは弦楽器。バイオリンは少し大きめで肩当てがなく、弓の格好が異なり、音色は柔らかい。目立つのは、ビオラを大きくしたような楽器で、ギターのように肩からつるして、体の前面で弓で弾くという奇妙なものである。独奏がないので、音色はよく聞き取れなかったが、見かけの割には地味な音色のようである。チェロは、形はあまり変わらないが大きさがかなり小ぶりである。
木管楽器は、フルートもオーボエもキーはなく、穴を指で押さえるものであり、音は小さく音色は柔らかい。キーが無い分だけ、あまり高度なテクニックは使えないようだ。
曲目は、ポピュラーなブラデンブルグ協奏曲2、3、5、6番と、組曲2番。一番特長が出ていたのが、ブラデンブルグ協奏曲3番で、弦楽器の柔らかさと深さと味わいのある合奏が素晴らしかった。現代の明るく歯切れのよい演奏に慣れた耳には、かなり異なった音色が印象的であり、大変心地よく聞くことができた。
ただ、組曲2番に関してだけは、私には、バロックフルートよりは、現代フルートによるテンポの早い切れのある演奏のほうが魅力的に思えた。昔、フルートでこの曲に挑戦したことがあるので、その記憶からそう思っただけなのかもしれないが・・・。
ところで、今回の演奏会に行って改めて思ったのは、どんなに当時の様子を正確に再現しようとしても、当時と現代をつないでいるのは、唯一楽譜のみだということである。その楽譜をもとにした当時の演奏と現代の演奏が、どれほど違うのかということは誰にも分からない。どんなに研究しても、その結果を検証する手段は全くないのである。そのことが、かえって人々の想像力をかきたて、様々な演奏様式を生み出す力となっているのであろうか。当時の演奏と音色を求めていく努力というのは、これからも永遠に続けられていくのだろうなと思った。
なお、ネットを検索していたら、名古屋大学古楽研究会というのを見つけた。全国でも珍しい学生団体とのことである。部員が48名もいるとのことで、ホームページも大変よく出来ており、その熱心さが伝わってくる。クラシックの愛好家は世の中でもあまり数多くはないが、その中でも特に少数派の地味な古楽器を愛好する学生グループが、案外身近なところにいることを知って、ちょっと感銘を受けた次第である。

by sakuraimac
| 2011-08-01 00:15
| 音楽
|
Comments(4)
通りすがりの者ですが失礼します。
sakuraimac様のアリス=紗良・オットに関する記事中、『著名なピアニストが、「弾いてみれば、ベートーベンとモーツァルトでは、同じ天才でもモーツァルトの才能は次元が違うことが分かる。作曲技法も練度もケタ違い。」と率直な感想を述べている。』とのくだりがあります。このピアニストの名前と共に、そのソースを御教示願えますでしょうか。
と言いますのも、日頃譜面を読み音楽史も含めて一定程度以上のクラシック音楽の知識を持つ者であれば、引用発言は、ベートーヴェンとモーツァルトとを取り違えていて、実際とは逆の内容になっているのでは、と疑問を持ったからです。
お手間で恐縮ですが、どうぞ宜しくお願い致します。
sakuraimac様のアリス=紗良・オットに関する記事中、『著名なピアニストが、「弾いてみれば、ベートーベンとモーツァルトでは、同じ天才でもモーツァルトの才能は次元が違うことが分かる。作曲技法も練度もケタ違い。」と率直な感想を述べている。』とのくだりがあります。このピアニストの名前と共に、そのソースを御教示願えますでしょうか。
と言いますのも、日頃譜面を読み音楽史も含めて一定程度以上のクラシック音楽の知識を持つ者であれば、引用発言は、ベートーヴェンとモーツァルトとを取り違えていて、実際とは逆の内容になっているのでは、と疑問を持ったからです。
お手間で恐縮ですが、どうぞ宜しくお願い致します。
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BACHIANA様、コメントどうもありがとうございます。
私も何か変だなとは思ったのですが、刺激的な言葉なので、つい載せてしまいました。出典は、文春新書、宇野功芳、中野雄、福島章恭 著 「新版 クラシックCDの名盤」の100ベージめです。
私も何か変だなとは思ったのですが、刺激的な言葉なので、つい載せてしまいました。出典は、文春新書、宇野功芳、中野雄、福島章恭 著 「新版 クラシックCDの名盤」の100ベージめです。
親切丁寧な御教示有難うございます。
もう一度、上記の本を読み直してみたのですが、私の引用は部分的すぎて発言者の意図を正確には伝えてませんね。言葉尻をとらえて、誤った印象を伝えるマスコミみたいだったと反省してます。

