2012年 06月 10日
安友雄一氏講演会の報告 |
通信カラオケの創始者、安友雄一氏の講演会を、6/8に聞いたのでその感想を報告したい。
先日、安友氏の功績を発掘・取材して世に知らしめた 「カラオケ秘史:創意工夫の世界革命」 の著者の烏賀陽(うがや)弘道さんにお話をうかがったところ、「世界の音楽をかえた日本人は二人です。MIDIを考案したローランドの梯幾太郎さんと通信カラオケを発明した安友雄一さん。安友さんは偉大な発明家です。」との返事があった。
安友氏の通信カラオケ開発における業績は、応用分野がカラオケという娯楽産業であったため、その情報通信における先進的技術価値というものが、ほとんど世に知られず、正しく評価されてはこなかったと思う。しかしながら、その足跡をたどると、まさに現在の音声・画像の情報通信のさきがけを、10年早く走ってきたと言っても過言ではないという気がする。これは、学術的にも、高く評価されてしかるべきものであると思う。
ところで、当日の安友氏のお話は、どちらかというと技術開発的な面より、通信カラオケを事業として立ち上げてきたビジネス面での苦労・工夫のお話が主体であった。しかしながら、それはそれで極めて興味深い面白いお話であった。もう20年近く前の話ではあるが、現在のITベンチャーの成功にも役立つヒントが満載されているようにも感ずるので、いくつか紹介してみたい。
①技術の将来展望について: 安友氏はパッケージではなく通信回線によるコンテンツデータの流通の時代が必ず来ることを、すでに80年代後半には見越していた。(先見性がない私は、LDカラオケの次はDVDカラオケになると信じていたので、90年代中頃に、急にすべてが通信カラオケに変わってしまったときの驚きを今でも印象深く思い出す。)
②市場規模について: 当時のカラオケ市場を綿密に調べ、市場ニーズと事業規模と設備投資のことを実に精密に分析している。(これは当然の作業かもしれないが・・・)
③資金について: ブラザー本社を実にうまく利用している。将来を熱心に語り幹部を説得する様子は、非常に印象的であった。
④人的リソースについて: 必要な人的リソースを、社外より全国的に集めている。サラリと語られていたが、これは大変な仕事であったと思う。
⑤著作権問題: レコード会社と根気よく交渉を行う。これは、今のITビジネスにおいても、一番やっかいな問題であろう。
⑥客層の転換: 売り出した後、いくつかの定番楽曲がレコード会社から使用許諾が得られなかったため、酒場カラオケ市場において頓挫する。そこで、若者にターゲットを絞り新曲の開拓に方針転換しそれが大ヒットする。この方針展開が、個人的には一番印象的であった。客層をどこに絞るかが、おそらく、新ビジネスにおいては最も難しく、悩む選択ではないかと思われるからである。
技術的にもビジネス展開においても実に面白いお話であった。これを機会に、安友氏の功績がもっと広く知られるようになることを強く願うものである。
なお、安友氏の技術的な貢献については、下記を参照ください。
http://sakuraimac.exblog.jp/15099738/

先日、安友氏の功績を発掘・取材して世に知らしめた 「カラオケ秘史:創意工夫の世界革命」 の著者の烏賀陽(うがや)弘道さんにお話をうかがったところ、「世界の音楽をかえた日本人は二人です。MIDIを考案したローランドの梯幾太郎さんと通信カラオケを発明した安友雄一さん。安友さんは偉大な発明家です。」との返事があった。
安友氏の通信カラオケ開発における業績は、応用分野がカラオケという娯楽産業であったため、その情報通信における先進的技術価値というものが、ほとんど世に知られず、正しく評価されてはこなかったと思う。しかしながら、その足跡をたどると、まさに現在の音声・画像の情報通信のさきがけを、10年早く走ってきたと言っても過言ではないという気がする。これは、学術的にも、高く評価されてしかるべきものであると思う。
ところで、当日の安友氏のお話は、どちらかというと技術開発的な面より、通信カラオケを事業として立ち上げてきたビジネス面での苦労・工夫のお話が主体であった。しかしながら、それはそれで極めて興味深い面白いお話であった。もう20年近く前の話ではあるが、現在のITベンチャーの成功にも役立つヒントが満載されているようにも感ずるので、いくつか紹介してみたい。
①技術の将来展望について: 安友氏はパッケージではなく通信回線によるコンテンツデータの流通の時代が必ず来ることを、すでに80年代後半には見越していた。(先見性がない私は、LDカラオケの次はDVDカラオケになると信じていたので、90年代中頃に、急にすべてが通信カラオケに変わってしまったときの驚きを今でも印象深く思い出す。)
②市場規模について: 当時のカラオケ市場を綿密に調べ、市場ニーズと事業規模と設備投資のことを実に精密に分析している。(これは当然の作業かもしれないが・・・)
③資金について: ブラザー本社を実にうまく利用している。将来を熱心に語り幹部を説得する様子は、非常に印象的であった。
④人的リソースについて: 必要な人的リソースを、社外より全国的に集めている。サラリと語られていたが、これは大変な仕事であったと思う。
⑤著作権問題: レコード会社と根気よく交渉を行う。これは、今のITビジネスにおいても、一番やっかいな問題であろう。
⑥客層の転換: 売り出した後、いくつかの定番楽曲がレコード会社から使用許諾が得られなかったため、酒場カラオケ市場において頓挫する。そこで、若者にターゲットを絞り新曲の開拓に方針転換しそれが大ヒットする。この方針展開が、個人的には一番印象的であった。客層をどこに絞るかが、おそらく、新ビジネスにおいては最も難しく、悩む選択ではないかと思われるからである。
技術的にもビジネス展開においても実に面白いお話であった。これを機会に、安友氏の功績がもっと広く知られるようになることを強く願うものである。
なお、安友氏の技術的な貢献については、下記を参照ください。
http://sakuraimac.exblog.jp/15099738/

by sakuraimac
| 2012-06-10 23:24
| 講演会
|
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