2014年 04月 10日
Google のデータセンター |
下記のレポートによると、現在、情報機器が消費する電力は増大し続けており、2020年には、日本の総電力需要のうちの実に20%にも及ぶということである。
http://www.jst.go.jp/pr/jst-news/pdf/2010/2010_09_p06.pdf
大学の電気電子工学科の就職担当をしていたときに、IT企業から、電気設備の設計・管理技術者の求人がかなりあったので、不思議に思った記憶がある。
その後、大きなIT企業は、皆、巨大なるデータセンター(サーバセンター)を持っておりその設計保守に人手をかなり必要としていることを知った。このデータセンター内の多数のサーバにIT端末からアクセスが集中するとそこで膨大な電力が発生する訳である。
スーパーコンピュータの最大のボトルネックは、電力だという話がある。このまま計算機の規模が大きくなると、そのうち原発1基分の電力を消費してしまうということが、米国でも話題となっていた。
その話を思い出して、巨大IT企業のサーバセンターは、スーパーコンピュータと比べるとどのくらいの規模になっているのか、ちょっと調べてみた。
巨大IT企業というと、真っ先にGoogleの名前が浮かぶ。各IT企業は、データセンターは秘密事項としているようだが、Google は2012年に、自社のデータセンターを公開している。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1210/18/news025.html
http://www.yukawanet.com/archives/4316015.html
まず、その大規模な工場のような外観に驚く。さらに驚くべきは、データセンターの総使用電力である。何と2012年時点で2億6000KWとのことである。スーパーコンピュータの「京」は8000KWであった。すでにその3倍以上の電力を消費しているのである。
これは大規模な工場以上のものである。IT企業が、ソフトエンジジニアだけではなく、多数の電気設備の技術者を必要としている理由がよくわかる。これだけの設備を管理運営していくのは、大変な作業であろう。
しかも、サーバの寿命と故障率(特にハードディスク)を考えると、近代化された工場の生産設備に比べると、はるかにメンテナンスの手間は大きいと思われる。
今後も、扱うデーダ量は増加の一途をたどるだろうから、データセンターも益々巨大化していくことは間違いない。そこで、冒頭の、2020年には、総電力量の20%を情報機器が消費するという予測につながるわけである。
人々がスマホとPCで情報をアクセスするたびに、これだけの巨大な電力が消費されていくなどとは、おそらく、普通の人には想像もつかないことに違いない。
私自身も、今回調べてみて、改めて認識した次第なのであるが、これだけの大量のサーバに依存している情報社会というものに、一抹の不安を感じざるを得ない思いがする。
例えば、大規模停電や、テロ攻撃などで、データセンターの機能が止まれば、社会の活動がすべて停止してしまう。
さらには、データが消失してしまったら、金融機関や政府機関などは致命的な打撃を受け、国家機能はマヒし、国民生活も崩壊してしまうであろう。
もちろん、そうした重要なデータの場合には、特別の対応策がとられているに違いない。ただ、細心の注意を払って設計された原子力発電所でも、想定外の自然災害の前には破綻を起こすことは証明されたばかりである。
Google の巨大データセンター工場の写真を見て、思わずそんなことを考え込んでしまった。
<追記:データの保存性について>
Googleの公開ビデオを見ていて、興味深かったのは、重要なデータは磁気媒体に保管しているという場面だった。放送局でも、番組の長期保存には、磁気テープを使っている。ハードディスク、CDROM、半導体メモリ、磁気媒体などのデータ記憶媒体の中では、磁気媒体の保存性が一番高いということのようである。
情報がディジタル化されれば、永久に保存されるものと思ってしまいがちであるが、それは大きな間違いである。ディジタルデータのアーカイブ(保存)は当初から大きな問題となってきた。
ディジタルデータを長期保存する手段を人類は未だ手にはしてはいない。
例えば、石に刻まれた文字であれば1万年以上保つ。紙でも注意すれば千年は保つだろう。ところが、ハードディスク、CDROMなどは高々数年が限界である。半導体メモリもゲートに浮遊電子を蓄えているだけだから、何時データが消えても不思議ではない。かろうじて磁気テープならば10年から20年くらいは大丈夫そうだというのが現状なのである。
この、ディジタルデータの保存の脆弱性は、電力以上に深刻な問題だと思われる。
今日の爆発的に増えつつあるディジタルデータに寄っている情報社会が、巨大化していくデータセンターの安全性と、その中に存在する極めて脆弱なディジタル記憶媒体の上に成り立っているという事実は、何とも頼りなく不安なことである。
(専門家にとっては周知の事実なのかもしれないが、このことは、案外と皆の話題に上がらないのでちょっと書いてみた次第である。)

http://www.jst.go.jp/pr/jst-news/pdf/2010/2010_09_p06.pdf
大学の電気電子工学科の就職担当をしていたときに、IT企業から、電気設備の設計・管理技術者の求人がかなりあったので、不思議に思った記憶がある。
その後、大きなIT企業は、皆、巨大なるデータセンター(サーバセンター)を持っておりその設計保守に人手をかなり必要としていることを知った。このデータセンター内の多数のサーバにIT端末からアクセスが集中するとそこで膨大な電力が発生する訳である。
スーパーコンピュータの最大のボトルネックは、電力だという話がある。このまま計算機の規模が大きくなると、そのうち原発1基分の電力を消費してしまうということが、米国でも話題となっていた。
その話を思い出して、巨大IT企業のサーバセンターは、スーパーコンピュータと比べるとどのくらいの規模になっているのか、ちょっと調べてみた。
巨大IT企業というと、真っ先にGoogleの名前が浮かぶ。各IT企業は、データセンターは秘密事項としているようだが、Google は2012年に、自社のデータセンターを公開している。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1210/18/news025.html
http://www.yukawanet.com/archives/4316015.html
まず、その大規模な工場のような外観に驚く。さらに驚くべきは、データセンターの総使用電力である。何と2012年時点で2億6000KWとのことである。スーパーコンピュータの「京」は8000KWであった。すでにその3倍以上の電力を消費しているのである。
これは大規模な工場以上のものである。IT企業が、ソフトエンジジニアだけではなく、多数の電気設備の技術者を必要としている理由がよくわかる。これだけの設備を管理運営していくのは、大変な作業であろう。
しかも、サーバの寿命と故障率(特にハードディスク)を考えると、近代化された工場の生産設備に比べると、はるかにメンテナンスの手間は大きいと思われる。
今後も、扱うデーダ量は増加の一途をたどるだろうから、データセンターも益々巨大化していくことは間違いない。そこで、冒頭の、2020年には、総電力量の20%を情報機器が消費するという予測につながるわけである。
人々がスマホとPCで情報をアクセスするたびに、これだけの巨大な電力が消費されていくなどとは、おそらく、普通の人には想像もつかないことに違いない。
私自身も、今回調べてみて、改めて認識した次第なのであるが、これだけの大量のサーバに依存している情報社会というものに、一抹の不安を感じざるを得ない思いがする。
例えば、大規模停電や、テロ攻撃などで、データセンターの機能が止まれば、社会の活動がすべて停止してしまう。
さらには、データが消失してしまったら、金融機関や政府機関などは致命的な打撃を受け、国家機能はマヒし、国民生活も崩壊してしまうであろう。
もちろん、そうした重要なデータの場合には、特別の対応策がとられているに違いない。ただ、細心の注意を払って設計された原子力発電所でも、想定外の自然災害の前には破綻を起こすことは証明されたばかりである。
Google の巨大データセンター工場の写真を見て、思わずそんなことを考え込んでしまった。
<追記:データの保存性について>
Googleの公開ビデオを見ていて、興味深かったのは、重要なデータは磁気媒体に保管しているという場面だった。放送局でも、番組の長期保存には、磁気テープを使っている。ハードディスク、CDROM、半導体メモリ、磁気媒体などのデータ記憶媒体の中では、磁気媒体の保存性が一番高いということのようである。
情報がディジタル化されれば、永久に保存されるものと思ってしまいがちであるが、それは大きな間違いである。ディジタルデータのアーカイブ(保存)は当初から大きな問題となってきた。
ディジタルデータを長期保存する手段を人類は未だ手にはしてはいない。
例えば、石に刻まれた文字であれば1万年以上保つ。紙でも注意すれば千年は保つだろう。ところが、ハードディスク、CDROMなどは高々数年が限界である。半導体メモリもゲートに浮遊電子を蓄えているだけだから、何時データが消えても不思議ではない。かろうじて磁気テープならば10年から20年くらいは大丈夫そうだというのが現状なのである。
この、ディジタルデータの保存の脆弱性は、電力以上に深刻な問題だと思われる。
今日の爆発的に増えつつあるディジタルデータに寄っている情報社会が、巨大化していくデータセンターの安全性と、その中に存在する極めて脆弱なディジタル記憶媒体の上に成り立っているという事実は、何とも頼りなく不安なことである。
(専門家にとっては周知の事実なのかもしれないが、このことは、案外と皆の話題に上がらないのでちょっと書いてみた次第である。)

by sakuraimac
| 2014-04-10 15:38
| 科学技術
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