2014年 06月 02日
夏野剛氏の講演会その2 |
大学の講座「リーダーシップ特論」の5月22日の回には、昨年に引き続いて、夏野剛氏をお招きして、IT革命についてのご講義をいただいた。お話の流れは昨年の流れを汲んでいたが、夏野氏は、お話が一段とお上手になり、とても聞きやすく説得力があり、教員としても聞き入ってしまった。(学生の人気も高く、受講数も今年は昨年の倍近くの200名ほどに増えた。)
当日のお話のポイントを、ちょっと以下にまとめてみたい。
[1] IT革命には次の3つの段階がある。
1.第一の革命「効率革命」
ビジネスのフロントラインがネットへ展開し、リアル市場にネット市場が加算された。顧客へ接点が大変貌した。
2.第二の革命「検索革命」
個人の情報収集能力の飛躍的に拡大した。研究開発プロセスに革命が起き、にわか専門家が量産されるようになった。
3.第三の革命「ソーシャル革命」
個人の情報発信能力が飛躍的に拡大した。TwitterやFBによる「共振」現象は、アラブ諸国に政治革命を引き起こした。
[2]三つのIT革命によってつぎのようなことがもたらされた。
1. 複雑系的知識ネットワークの現実化
衆知のアグリゲーションによる創発、自己組織化の現実化が起こる。
2. 個人能力の最大化
平均が高いことよりも、突き抜けた人材の活用が必要。多様性を前提とした教育システムが求められるようになった。
3.変化を強要される社会システム
組織構造はフラット化せざるを得ない。終身雇用、年功序列、新卒一括採用は機能しなくなる。個人力を最大化する組織の必要性が高まる。
[3] IT時代に求められるリーダー像とは
1.方向性を示す
ある一定以上の調査と議論の後は、組織の向かうべき道を示めさねばならない。
2.ディテールを知る
ディテールを理解していないと、方向性を示せない。現場並みの知識の上に勘を働かせることで、組織をリードすることができる。
3.哲学(フィロソフィー)、信念を持つ
その組織の社会的ミッションは何か、競争優位は何か、最終的に何を目指すのか、を自分なりに理解した上で、日々の経営判断を行うことが必要。
単に前任者を引き継ぎ、現状を維持しようとすると、後退していく。
[4]日本の可能性について
豊富な資金力(1,600兆円超の個人金融資産)、世界トップレベルのITインフラ、教育水準の高さと労働意欲の高さ、企業資金に余裕があり、眠れる技術もたくさんある。そのポテンシャリティは相当に高い。
一方では、弱い部分として、語学能力の低さ、個性軽視、議論軽視、予定調和好き、どこか他人事でも許されるぬるい社会でもある。
これらの甘えを少なくともリーダーから排除すればまだまだ伸びる余地はある。世界をリードする日本へ期待する。
[5]今の時代について
個人が、ITを通じて、情報を発信し、多数の知見を得て、社会を動かせるという、素晴らしい世界に我々はいる。ゆとり教育はおおいに結構、苦にならないことをやってこそ天才は伸びる。オタクもおおいに結構である。
100人の平均的な人間よりも一人のオタクの力が物事を左右するようになっている。
講義の終わった後、学生からは、いくつもの質問が出ていたが、印象に残ったのは、夏野氏のオタク(突出して自己を深化させる)を重要視する論調に対して、「オタクは周囲の人に注意を払わない。周りの人のことを考えないでリーダーが務まるのか?」という質問が出ていたことである。夏野氏は「大丈夫。オタクを極めた先には、人を動かすにはどうしたらよいか、自然と学べるようになる。」と答えていた。
これは、実に興味深い議論である。どちらも間違ってはいない。リーダーと専門家の関係はどうあるべきかというのは、人間社会の永遠の課題であるとも思う。
夏野氏は教えるというより、問題提起型(激的な言葉で挑発する?)のタイプの方なので、もっともっと学生たちと議論をさせてみたかった。
私個人としてもお聞きしたいことも、山のようにあったので、来年は、超ご多忙の中ご無理をお願いすることになるが、時間をもう少しのばしていただきたいと思った次第である。

当日のお話のポイントを、ちょっと以下にまとめてみたい。
[1] IT革命には次の3つの段階がある。
1.第一の革命「効率革命」
ビジネスのフロントラインがネットへ展開し、リアル市場にネット市場が加算された。顧客へ接点が大変貌した。
2.第二の革命「検索革命」
個人の情報収集能力の飛躍的に拡大した。研究開発プロセスに革命が起き、にわか専門家が量産されるようになった。
3.第三の革命「ソーシャル革命」
個人の情報発信能力が飛躍的に拡大した。TwitterやFBによる「共振」現象は、アラブ諸国に政治革命を引き起こした。
[2]三つのIT革命によってつぎのようなことがもたらされた。
1. 複雑系的知識ネットワークの現実化
衆知のアグリゲーションによる創発、自己組織化の現実化が起こる。
2. 個人能力の最大化
平均が高いことよりも、突き抜けた人材の活用が必要。多様性を前提とした教育システムが求められるようになった。
3.変化を強要される社会システム
組織構造はフラット化せざるを得ない。終身雇用、年功序列、新卒一括採用は機能しなくなる。個人力を最大化する組織の必要性が高まる。
[3] IT時代に求められるリーダー像とは
1.方向性を示す
ある一定以上の調査と議論の後は、組織の向かうべき道を示めさねばならない。
2.ディテールを知る
ディテールを理解していないと、方向性を示せない。現場並みの知識の上に勘を働かせることで、組織をリードすることができる。
3.哲学(フィロソフィー)、信念を持つ
その組織の社会的ミッションは何か、競争優位は何か、最終的に何を目指すのか、を自分なりに理解した上で、日々の経営判断を行うことが必要。
単に前任者を引き継ぎ、現状を維持しようとすると、後退していく。
[4]日本の可能性について
豊富な資金力(1,600兆円超の個人金融資産)、世界トップレベルのITインフラ、教育水準の高さと労働意欲の高さ、企業資金に余裕があり、眠れる技術もたくさんある。そのポテンシャリティは相当に高い。
一方では、弱い部分として、語学能力の低さ、個性軽視、議論軽視、予定調和好き、どこか他人事でも許されるぬるい社会でもある。
これらの甘えを少なくともリーダーから排除すればまだまだ伸びる余地はある。世界をリードする日本へ期待する。
[5]今の時代について
個人が、ITを通じて、情報を発信し、多数の知見を得て、社会を動かせるという、素晴らしい世界に我々はいる。ゆとり教育はおおいに結構、苦にならないことをやってこそ天才は伸びる。オタクもおおいに結構である。
100人の平均的な人間よりも一人のオタクの力が物事を左右するようになっている。
講義の終わった後、学生からは、いくつもの質問が出ていたが、印象に残ったのは、夏野氏のオタク(突出して自己を深化させる)を重要視する論調に対して、「オタクは周囲の人に注意を払わない。周りの人のことを考えないでリーダーが務まるのか?」という質問が出ていたことである。夏野氏は「大丈夫。オタクを極めた先には、人を動かすにはどうしたらよいか、自然と学べるようになる。」と答えていた。
これは、実に興味深い議論である。どちらも間違ってはいない。リーダーと専門家の関係はどうあるべきかというのは、人間社会の永遠の課題であるとも思う。
夏野氏は教えるというより、問題提起型(激的な言葉で挑発する?)のタイプの方なので、もっともっと学生たちと議論をさせてみたかった。
私個人としてもお聞きしたいことも、山のようにあったので、来年は、超ご多忙の中ご無理をお願いすることになるが、時間をもう少しのばしていただきたいと思った次第である。

by sakuraimac
| 2014-06-02 23:28
| 講演会
|
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